●大雪。昼過ぎに目が覚める。窓越しに世界が白い。いやー。窓を少しだけあけて覗いてみると、やはり雪が雪国の様に降っている。見なかったことにしたい。なんでこんな日に限って大晦日なんだろう。岐阜に帰省しなきゃいけないってのに。新幹線のチケットは予約済みだったのだけど、寒いやら雪やらでダラダラしてたら間に合わない時間になっている。品川駅構内をはしる。しかも長靴。地元の駅までは便利だったのだけど、そこから先はただひたすら不便だ長靴。いつかのレイヴ行く途中にどこかのホームセンターで購入したお父さん仕様の長靴は、多少恥ずかしい。ああせめてこの長靴がエーグルだったら。
雪の為遅れた新幹線になんとか乗り込む。
●岐阜着。雪、降ってはいないが少し積もっている。そして寒い。ただいま。
●昼すぎ、三鷹へ。K家へ遊びに行く。おひさっ!
Uに赤ちゃんが生まれたことを教えてもらう。旅行に行く前の情報では予定日は一月一日だときいていた。はやっ!予定よりもかなり早い。ちゃんと立ち会わないといけないな、と思っていたのに凄くショック。その為にHi8ビデオカメラまで購入してたってのに。しかもマイクもセットで。産声を聴けなかったガンマイクが泣いている。まあガンマイクなんてどうでもいいよ。
おめでとーっ!
近々拝みに行かせて下さい。
●夜、Cちゃんとスターパインズへ。Cがボーカルのバンド、プチミットと明和電器が対バンするイベントへ。他のバンドは全く知らない。新たに蛇使いが加わったプチミットは、あいかわらずイケてた。蛇遣いは全身黒塗りなんだけど、股の部分の塗りが甘くそこだけうっすらと肌色が露出している。それが異常にエロい。エロいぞプチミット。魔夜峰央の世界。
明和電器のライブを見るのは初めて。どんな楽器を使って音を出すのか。旅行に行っていてICCでの個展にも行けなかったし。友達Tがもう数年働いているにも関わらず、実は明和電器についてあまりよく知らない。魚コードと書いて「なこーど」と読む、くらいしか知らない。で、ライブ。曲や歌自体はよく分からないけど、自作楽器達がほんとに凄かった。振り付け覚えているようなコアなファンも凄かった。どちらがより凄いかと訊かれれば甲乙は付けがたいのだけど、土佐社長よりもセンサーが好きそうな外見という点で判断すれば、振り付け覚えているファンの方に軍配があがる。20分だけという短い時間だったのだけど、相当楽しめた。Tどうもありがとう。
Yちゃん、Cもまじえてお茶する。おひさっ!僕の服装がオシャレになったというもっぱらの評判。そんなことはどうでもいい。ただ前からオシャレだったはずなのに、なんで今更そんなことを言うんだろうと、それだけが不思議でしょうがない。
●深夜、家の近くのスカイラークでOyanとお茶。おひさっ!業界話を聞かせてもらう。
●喉の調子がすこし悪い。咳がでる。もし変な菌だったらごめんなさい。まきちらしてます。
●とても早起き。ほとんど寝ていないにも関わらず身体が軽い。完全に時差ボケなのだけど、向こうで昼夜逆転の生活をしていたおかげでこちらでは昼夜がただしく回っている。ただしく回ってるうちに行っておこうという訳で、仕事先をお土産もってまわる。お土産っていっても、出来ることなら食べたくないやばそうなパッケージのキャンディなのです。このキャンディは、旅行先のウユニツアーでツアー会社が差し入れとして車に常備させていた物で、ガムがキャンディーにくるまれている。子供の頃によく食べたドングリガムによく似ている。これにはまってしまってツアー中ずっとむさぼり食っていたら、舌が荒れてしまった。そんな思い出がいっぱい詰まった、出来ることなら食べたくないやばそうなパッケージのキャンディ、どうぞご賞味ください。
●ジャニスにもお土産持っていく。長期レンタル中だったので、CDたくさん借りる。旅行にでてるうちに新しく出たCDがたくさんある。楽しいわあ。
●帰ってきて気が付いたのは、この日記のカテゴリー欄がひどい。「くらす」ばかり。もうちょっとバランスよくいきたい。で、「はたらく」にチェック。「たがやす」とか作ったはいいけど、放置しっぱな。もう消すか。
●夜、京王ストアで買い物して料理。かぼちゃ久しぶりに食った。かぼちゃはうめえなあ。
●夕方、成田着。14時間はしんどかった。真ん中の席に座ってた僕は、隣の人に声を掛けてまでトイレに行きたくないので、何が何でも我慢。水分の摂取を極力抑える。だからきっと機内で流れていた「セカチュー」を観ても涙がでなかったんだろうと思う。
●そんなこんなで帰宅。帰宅ラッシュの時間帯にでかい荷物抱えて電車に乗るのはかなり気が重たかったが、乗ってみると意外に空いている。あらもう師走も師走、年の瀬だわ。留守中、家を守っていてくれたKちゃんのお出迎え。ただいまー。
地獄絵図の様な有様を想像していたのだけど、部屋はチリひとつないくらい綺麗に掃除されていた。びっくり。どうもありがとう。真ん中の部屋はKちゃんの荷物が堆く積まれている。高いなあ。
●しばらくしてドイツからNも帰ってきた。おかえりー。お土産交換。
●夜、TSE来る。忘年会後に来た奴らはいつもどおり酔っぱらっている。初対面の韓国人Eさんに限っては、「まゆげ」「マッチョ」などのキーワードを掲げて文化的意識の問題として絡んでくるから、もう怖い。文化的意識っていうか、「ほそいまゆげ」が嫌とかって、好みの問題じゃないですか。でも酔っぱらいは怖いからそんなこと言えない。マッチョになりたいってポロッって言おうものなら、「それって女性差別から始まってるから!」と絡まれる。いやそういうんじゃなくって、ただ重たい物が持てるようになりたいだけなのです。
●コンティネンタルなのでJFKじゃなくてニューアーク空港からの飛行機。オザケン聴くためには一度くらいJFKからNYCに来なくては。
●帰りの飛行機で今年の話題沸騰だった「世界の中心で愛を叫ぶ」を観た。セカチュー。
機内での席は、行きと同じく真ん中の列の3人がけの真ん中という何の取り柄もない席だったのだけど、今回に限ってはよかった。日本行きの飛行機はやはり日本人が大半をしめている。そのほとんどが今、セカチューを観ているのが手に取るようにわかる。そうかみんなやっぱりセカチューか。この作品を観ずして2004年は締めくくれないという気持ちで今機内は一つになっている。欧米人はもちろん他の映画をみているが、僕はもうよっぽど彼らの手元にあるリモコン操作してセカチューに変えてしまうところだった。
本も、ドラマも、映画も観たことがなかったので何の前情報もなしに観ることが出来た。
面白くねえ。これ面白くねえ。
こういう類の物は結構好きなはずなのに、面白くなかったー。唯一印象的だったのは、体育館で「好きよ」と女の子がいうセリフがJホラーのそれにしか聞こえなかったこと。一度でも十分怖かったのに、彼女は同じセリフを二度も言ってくれた。機内が凍り付きましたよ。いやいや飛行高度から来る温度的な話ではない。みんな凍ってないかな、と周りの皆さんが心配になり注意を周りに向けてみるとあら不思議。みんな泣いてるよ。おいおいよっぽど怖かったのか。
●後の時間は寝て過ごす。かなり有意義なフライトだった。
●NYC滞在最終日。
お土産さがして街を練り歩くも、今まで練り歩いてないだけに特に何も見つけられず。
●夜、W君とお茶。NYCでキュレーターをしているW君は来年日本とアメリカで展示をするらしい。展示作家などのブックを見せてもらう。国家問題をベースにしている現代美術作家で構成される展示だった。一つ一つの作品をみるとすごく面白いのだけど、グループ展としての展示が国家問題だったり平和問題だったりするとそれを成功させるのはかなり大変だと思った。頑張って。僕が手伝えそうなことは、チラシ配りくらいしか思いつかないけど、なんか出来ることあったら何でも。
●そんなこんなで旅行終わり。あっと言う間だったわ。楽しかったわ。
●「エイリアンVSプレデター」観る。
コピーが凄い。
「どちらが勝っても…人類に未来はない」
そりゃないだろう。そんなコピーを掲げられると、これまでのハリウッド映画とはかなり違う次元で作られているのかもしれない。もしかしたら「デッド・オア・アライブ」のラストシーン並みの衝撃がある名作かもしれない。どうしてもそんな期待を抱いてしまう。まんまと広告の思うつぼのわたし。
で、観た。
いやかなりの衝撃には違いなかった。思った以上のひどい出来だった。けっこう笑った。
この映画はクリスマス映画だと思う。観るならクリスマスに観た方がいい。それも、森ビルのぼって夜景を楽しんでからお洒落なバーでさくらんぼがはいったカクテルを飲んでうっとりした上に今日はクリスマスだからさとか訳の分からないご機嫌ぶりでステレオからはMISIAが流れているオープンカーにのっているようなカップル、にこそ観て欲しい。それでお前ら目を覚ませ。どっちが勝っても人類に未来はないんだぞ。
●Hとミッドタウンへ。HB宅のクリスマス会にお呼ばれされる。
すっごいブルジョワなパーティーだったらどうしよう、とドキドキしながら呼び鈴をおす。意外にも来ている人はアジア人の友達周りだけだった。日本人はいつも静かだからHBは気を遣ったのかも、というH。さすがHB。だてに2mの背丈があるわけじゃない。
相変わらず高級感にあふれているHB宅はでっかいクリスマスツリーも登場していた。でかいよ。
HBのルームメイト、ナイスミドルのKにクリスマスプレゼントもらう。来ている人が順番にプレゼントの袋を受け取っていく様は何だか子供会のよう。couchのフォトフレーム、L'occitaneの石けん、チョコレート。こんな高価な物を見ず知らずのアジア人にくれるなんて。どうなっとるアメリカインテリ層。ありがとうございます。
●パリからの親類なども到着していよいよ賑やかになってきた。お礼をいって家に帰る。お世話になりました。日本に来たときは是非ウチへ、とKとHBに一応言ってみたものの実際あんなボロ家に来られても向こうも困ってしまうかもしれん。
●仮眠とってW家へ。クリスマス鍋をつつく。うめえ。Mちゃんに手作りのノートブック用布袋をもらった。すごいかわいい。どうもありがとう。お礼ばかりで申し訳なってしまうクリスマス。
●クリスマスイヴです。
H、Jと一緒に映画観に行く。NYCに来て以来の念願、Jに初対面。相当嬉しい。
予想以上のパワーに圧倒される。パワーといっても話しをしていてもあまり分からない不思議なパワー。Jは最近好きな男の子がいるらしい。映画が始まる時間までコーヒーを飲んで時間を潰していると、彼女の携帯に電話がかかってきた。とても嬉しそうな彼女の様子から察するに、どうやらその男の子らしい。しばらく話してから電話を切った後、彼女は嬉しそうに僕らに話し出す。
「今日から入院するんだって。」
「え?彼、どこか悪いの?」
「うん。ちょっとサイコなの。」
と言い、こめかみを指さしながら嬉しそうに笑う。
えーん。怖いよう。
●「オーシャンズ12」観に行く。面白くねえ。「オーシャンズ11」面白くなかったのに、なんで続編作ったんだろうと疑問だったのだけど、理由がわかった。アメリカ人には受けてる。ゴージャスなキャスティングに、ゴージャスなユーモア。ブルースウィリスまで出てきた時には驚いた。
●で映画の後、Jは
「内蔵が痛い。」
といって、笑いながらタクシーで病院に直行していった。やっぱり怖い。
●夜、Hの学校のクリスマス会に潜り込む。チェルシーの高級感溢れるナイトクラブへ。IDを忘れた上に、パジャマみたいな格好で来てしまった僕は、入口の黒服に止められないかと不安で胸が張り裂けそうだったのだけど、なんの問題もなく普通に入れた。ちゃんとDJがいて小さいながらフロアもある。ただ酒も飲める。Hの学校のクリスマス会は最高だ。と感動するのもつかの間、知り合う人知り合う人に「同じ学校?」と聞かれるのが鬱陶しくなったので、ただ酒飲んでブンブン踊ってたら転んだ。相当痛い。
トイレに行き用を足すと、洗面器の前でさっと手に洗剤を付けてくれる男がいる。女だったらよかったけど、さすがに高級クラブは違うななんて思ってると、しっかりチップを要求される。おいおい洗剤つけるだけでチップかよ。高級クラブは違う。洗剤付けてチップを要求するクラブは高級ではない。間違えてる。
●HBが帽子をくれた。しかもいきなり。
彼に、持っててくれ、と手渡されたハットを被ってると、しばらくして戻ってきたHBは僕を観て一言。
「おお。似合うね。あげるよ。メリークリスマス。」
おいおい。やっぱり身長がでかい人間は、人間もでかいね。2つ返事で有り難く頂きました。
どうもありがとう。クリスマスプレゼント第1弾。
●帰りの電車でなんとなくズボンをまくり上げてみると、さっき転んだところから流血してた。クリスマスプレゼント第2弾。
●「キューティーハニー」観る。
子供向けでも大人向けでもない内容にとまどう。サトエリのグラビアDVD以外の何者でもない。しりあがり寿、松尾スズキ、永井豪をチョイ役で登場させたりしたって、「おおっ!」なんて言うとでも思ってんのか。ちょっと嬉しかった。先ほどの文字通り「おおっ!」って感じだから、いやこっちも困る。そして市川実日子好きな人は観た方がいい。
って、なんの感想にもなってない。なんの感想もない。1800円払って劇場で観なくてよかった。
●アトランティックシティへリベンジしに行く。
リベンジって言ったら決まってます。カジノです。
10月に行った時は3人でいって僕一人だけ負けた。今回は4人で挑戦。
そして僕がまた一番負けた。もう嫌だ。ワシントンDCヘ行くための旅費や、この間KJから購入したthinkpad、そしてWが買い手を探してるというアップルの液晶モニター、それら全てをまかなうために行ったら全てを失った。ギャンブルって目的があったらダメだし、目的がなかったらもっとダメだ。どうなってもダメなもの。そんなものが闊歩きって歩いてるアメリカは狂ってる。もう2ヶ月近くいて初めて分かった。アメリカは狂ってるよ!金返せよ!
帰り道すがらMさんが買ってくれたスープ暖か。
●夜、Hとブルックリンのギャラリーへ。キュレーターしてるっていうTさんに写真のポートフォリオ見せに行く。その後、近くの日本食屋で御飯食べる。Oが合流。4人でOの元ルームメイトKちゃんの友達のパーティーに潜り込む。行ってみて驚いた。おそろしいパーティーだった。日本人ばかりのパーリーで、部屋もめちゃくちゃ広い。意味なく転がっている椅子。可能な限り機能性を除去しているとしか思えない無駄な家具の配置。もちろんターンテーブルx2のDJ卓もないわけがない。来ている日本人は、あなた達そのままパリコレでるんですか?というような格好で普通に談笑している。
そんな恐ろしい空間で、僕HOの岐阜っ子トリオは小さいテーブルを囲んでもうできうる限り小さくなって、出来うる限り食えるモンは食って、飲めるモンは飲んでいた。もうパリコレ組には畏怖の念すら湧き始めていた。そんな中、今日知り合った人の中では唯一のパリコレ組ではないKちゃんが、TやHちゃんと同じ吉祥寺の学校だったことが判明。年も同じ。世間は狭い。帰ったらTに聞いてみよう。
●最近、ブルックリンに引っ越したOの家のお宅訪問に行く。その隣駅でショックな出来事があった。
駅前のデリでちょっと買い物がしたかったのだけど、現金を持っていない。TCしかないので、ダメだろうなあと思いつつも一応店員のオヤジに訊いてみることにした。
「Can I use travelers check?」って訊いたら。
「Do you wanna strawberry shake?」って言われた。
このクソ寒いのに誰がシェイク飲むか。
あまりにショックだったので、O家に到着後、有無も言わずそのまま寝る。
●夕方帰宅。合宿ではMTのアップデートは終わらなかった。まあボチボチすすめること。
●夜、HとNYUへ。Wの所属しているTisch WinterShowを観に行く。
一つの学科(?)の展示なのに規模がかなりでかい。生徒一人がいくつもプロジェクトをかけもつらしく、相当な数の展示がある。そしてそれら展示作品のバッキバキデジタルっぷりにびびる。ほとんどの作品がコンピュータ制御。で、久しぶりこういう展示観てたら、胸キュンしてきた!それはただ単に自分の卒制やら進級展の様子を思い出したから、というだけ。よく分からん。でもほんとはよく分からなくないんです。意味不明なニューヨークでの自分勝手な郷愁感。でもそんなものは外に出たらパッと消えてなくなった。あまりに寒いよ。これは絶対氷点下だな、と自信をもってWに尋ねると、
「-13℃らしいよ。」
といわれた。そりゃ自信満々に寒いわけだ。これでこの寒さに自信がなかったらちょっと皮膚感覚の問題からいろいろ考えた方がいいと思う。
●そういえばTちゃんはこの学校であの倍音ギター作ったのか。ざっと見る限りあんなネパーリイな人は皆無の学校だわ、ここ。やっぱあの人おもろいわあ。
●引き続きKJ宅泊まり込み合宿。先生がいるのでMTを3.1にアップデートすることに。
しかしこれが大失敗。普通にやれば猿でもできるような作業なのに、アップデートか新規インストールか迷いながら始めちゃったもんだから、気が付いた時にはテンプレファイルが消してしまっていた。サーバーには真っさらなMT3.1が残っているだけ。ローカルにバックアップはとってあったのだけど、それもなんか整理されてなくてよく分かんないし。もうよく分かんない。
●こんな災難に見舞われたもんだから、折角手に入れたWINをいじる時間も全然ない。
ていうか、WINをいじろうがMTいじろうが、あきらかに旅行先の過ごし方として間違っている。夜半過ぎ、食べ物を探しに外に出る。雪がちらついている。初雪ですよ、と感動する余裕もないくらいの恐ろしい寒さ。息をしたら肺がまずいかもよ、と不安になるくらいキンキンに冷えた外気は少なからず衝撃。ニューヨークって寒いのね。ついに冬がやってきた。近場のマクドナルドでチーズバーガー買ってすぐ家にもどる。
そして結局テンプレほぼ作り直し。こんな機会でもないとという訳で、細かいところをいろいろ変えたりしながら。チーズバーガー食べながら。
●夜、TONICへ。来るって行っていたKJは例によって来やがらねえ。しょうがないので一人でビール飲んで酔っぱらう。「White Out with Jim O'Rourke & Thurston Moore」観る。ずっと前にアルバムで聴いたことがある「White Out with Jim O'Rourke」よりずっと良かった。 ノイズ。生で初めて観たサーストンは、かなり格好いい。やたらでかいし。
$12でこんなのが毎日のように観られるなんてそれだけでもうお腹いっぱいNYC。
●この間のemiさんのライブやら、その後のopenairやら、この間のsubTONICやら、ここ一週間でなぜか何度も会っているCさんという方にやはり今日も会った。明日のopenairに来い、という。パワーブック持っていってジャムれ、なんて言われてもどうしよう。僕のパワーブックからはノイズしか吐き出ません。
●ミッドタウンへ移動。KJと飯食ってから彼の家に。昨日参加したばかりのmixiをいじって遊ぶ。このブログのrdfそのまま読み込んで、日記の更新がそのまま反映できるという機能発見。べんりー。すごーい。mixiすごーい。って、そんなことばかりしててもどんどん人間が腐っていくだけなので、ローカルでphpを動かす時に生じてしまう不具合解消に勤しむ。ちゃんと仕事もする。
●朝、寝る。まずい。
KJがNYに戻ってきてからというもの、いよいよ東京にいるのと全く変わらない生活になってきた。
●ThinkPad購入!ニューマシンを手に入れたKJから格安で売ってもらう。これでついにWINユーザーですわ。ていうか、前からWINデスクトップ(これもKJから売ってもらった奴だ)は家にあったのだけど、あまりの遅さにCSはおろか、何も使い道がなかった。しかしこれでいよいよ西荻を中心としたCS戦線に参加できる。
●場所をH宅に移して引き続きモバイル。夕食は中華、お持ち帰りで食べる。Eggfooyangとかいう食べ物がうまい。ファイナル中とか訳の分からないことをいって部屋に引きこもるH。意味はわからないけど、あと数日がんばって。果報は寝て待て。
●「ニュースの天才」観る。
トム・クルーズ制作とかいうわりには地味な結構重い展開だった。ありもしない話をでっちあげて記事を描く有名雑誌の人気ライターの話。実話らしい。若き日のダースベイダーことヘイデン・クリステンセンが主役だったのだけど、彼が意外によかった。頭がきれるちょっとおかしい人という役がはまってる。観る前に、実話を元にした話と聞かされていたのがよかった。
●mixiに参加する。誰がこんなもん参加するかよ、と以前はもらった招待を蹴っていたものの、あえなく参加。旅先って怖い。
●旅行に来ているのにこの出不精っぷりはひどい。Hに言われる。
「お前はなんて贅沢なんだ。他の旅行者はもっと一日一日を有意義にいろんなところ行ってる。」
ごもっともです。NYまで来て、寒いからって部屋でビデオみたりしてるのはきっとよくない。そんなわけで旅行といえばやはり美術館に行ったら充実感でも生まれるんじゃないかと思い、早速美術館に向かう。実は家から歩いて数ブロックのところがミュージアム・マイルと呼ばれる美術館通り。この間日本に展示が来ていたけど行かなかったグッゲンハイムに行く。5年くらい前に来たときはなんか入れなかった記憶がある。そして今日は休館日だった。かたつむりみたいな建物だけ眺める。とことんグッゲンハイムには縁がない。
●その隣のブロックにあったナショナル・デザイン・ミュージアムへ。
Josef and Anni Albers: Designs for Livingという企画展をやっている。パンフによるとバウハウスに在籍してた夫婦で、夫ジョセフはプロダクト、妻アニはテキスタイルをやっていたらしい。ジョセフとアニはなんておしゃれな夫婦なんだろう。かわいい椅子や綺麗な布、単品でみるとかなり素敵だ。それがdesighs for livingというくくりで展示されていると、一体これらがマッチするような生活はどこに存在するんだろう。どっちが作ったか分かんないけど、変形ステンドグラスみたいな展示がおもしろい。
上階では複数の作者による家具の「design≠art」という展示。そりゃそうだろ、と思いつつこっちもおもしろい。とりあえずでかかったらよし!みたいなのが多い気がする。大好きな四角で構成されたテーブルセットに夢中。
って、来てみるともう美術館たのしいわあ。行ってみると楽しいのに、わざわざ出かけていくのはなんか違和感がある。街をブラブラしていて、「あ。なんかやってる。」って、なにげなく入るのが美術館の正しい在り方だとする。でもその時点でもうそれはわざわざ出かけていくよりも嫌らしい美術への接し方。だからやっぱり美術館には勢い勇んでむかわねば!
新しくなったMoMA観たい。
●夜、やっとNYCに戻ってきたKJと会う。入国できてよかったね。
TONICの下のsubTONICで催されているというWの知り合いのイベントに行くも、W達に会えなかったのでそうそうに引き上げる。国連ビル近くにあるKJ宅訪問。あまり書くと怒られそうなので書きませんが、いい部屋です。そしてやっぱりよなよなコンピュータ。途中で東京のKJの家にいるのかNYにいるのかよく分かんなくなってきた。
●「僕の彼女を紹介します」観る。
「猟奇的な彼女」の監督の作品で、主演女優も同じ。チョン・ジヒョン、かわいいのです。
でも面白くなかった。「猟奇的な彼女」で味をしめた監督が、おなじベクトルでもっと過激にしたらもっと売れるんじゃないかって作ったんだろうという予想が容易につく。でもこの過剰な詰め込みっぷりはちょっと恐ろしいほどなので観てもいいかも。
で、挿入歌にびっくり。なんでXジャパン?と思っていると、H曰く韓国でXは大人気らしい。もうこの歌がほんと気持ち悪いんです。
●夜、TONICにジョン・メデスキとマークリボー観に行くはずだったけど、あまりの寒さに断念。
ここ2日くらいでNYは一気に寒くなった。異常に寒い。
●二階堂和美さんのサイトを観ると、ニカさんが往年の名曲をカバーするシリーズの新作「ニカセトラ003 忘年会編」の告知が。
今度は忘年会のらしい。しかも今回はmp3で無料ダウンロード。わーい。12/20からとのこと。
●2004年11月の写真アップ。頑張って選んだのに、これまた異常な数になってしまった。全部南米の写真で250枚くらい。みてやってください。
●あととりあえずpicsのトップページだけ作り直した。そのうち他のページも全部つくりなおしたい。例によってWINで確認してません。おかしなところがあったら教えてください。
●昼過ぎ、昨日そのまま寝てしまったW家から帰る。お邪魔しました。
●南米から戻ってきて以来、腹の調子が芳しくない。
日本からアジアの方に行き、屋台とかで何か食べると腹の調子が悪くなるのはよく聞く話だ。南米もしかり。向こうに行った直後は、下痢とまでは行かないが快調ではなかった。それが日が経つにつれて段々と平気になっていく。目や皮膚が慣れるように、胃も今まで食べたことがない食事に慣れていく。
そしてその食べ物に慣れた頃にまたアメリカに戻ってくると、これまた不思議なのだけど、今度は日本で食べてきたようなアメリカの食事に腹がびっくりしている。個人差はあれども胃って相当バカなのか。慣れるのも早いが忘れるのも早い。だってほんの一ヶ月強、食べ物が違っただけじゃない。
そんなわけでWからもらった正露丸を飲んだら、多少はよくなるも長続きはしない。なかなか治らない。
それとも正露丸をココアとかで流し込んでるのがいけないのか。
●あと、11月分の写真をまだアップしていなかった。
忘れていた訳じゃないけれど、iPodにバックアップしてある写真の量をみて、選ぶのがちょっと面倒になっている。PICSのページのこれまでのデータが訳あって手元にないので、いっそのことPICSのページだけリニューアルしようかとも考える。もう2005年になるってのに、まだ2004年のページもないし。って、びっくりです、もう2005!
来年になったら、もう来年ワールドカップじゃない。ドイツはハノーヴァーに住むFからメールが来た。住所がかわったらしい。ハノーヴァー市内で。そんなことわざわざ連絡してくるなんて、まるで「ドイツ2006には必ず来てね。もちろんウチに泊まってね。」って言ってるようなもんだ。っていうか、彼はそう言っている。2006年の頭くらいに「中国スタートでワールドカップを観に行くツアー」を計画しなくては。それ、できたらかなりいい。
●寝坊。夕方頃、ブルックリンへ。10月のPS1での展示開始以来こちらで取材を続けていた石川真生さんは明後日日本に帰る。お別れ会。10月に会った人たちがたくさん来ている。その中の一人のMさんは僕のウェブを観てくれたらしく、そこでPS1の展示について僕が書いたことについて、質問というか意見をもらった。意見もらえるなんて光栄だわ。インターネットえらい。
南米のお土産、真生さんに渡すの忘れた。
●夜、experimental intermediaへ。ライブハウスか何かかと思っていたら全然違った。家だった。Phill自身が住んでいる広いアパートを改造して作られているライブ会場。キッチンがあったり、トイレには普通に歯ブラシがおいてあったりする。生活臭ぷんぷん。かなりいい。普通にジーナ・パーキンスとかいてびびる。
で、ライブ開始。さすがインプロ。リハもなにもなく映像も一度もあわせずにそのまま本番。Emiさん、今回は実際にハープを弾くのではなくこの間シカゴでやったというライブでの音源をミックスしていた。ハープとノイズ気持ちいいわあ。で、こちらはというとの南米の映像やら、ちょっとだけHDにはいっていたMog素材やらを出す感じ。Wが開始10分くらい前にちょちょちょとjitterで作ってくれた簡易ミキサーで繋げる。このミキサーなかったらやばかった。ありがとう。
●終了後、openairというバーへ。
Kさんという方がオーガナイズしているshareというのが、ちょっとおもろい。ノートブックを持ってきて、みんなが勝手に音をだしたり映像出したりしている。なかにはでっかいチェロみたいなのを持ってきている人もいる。で、それぞれの音はPAでミックスされてスピーカーからこちらに聞こえる。ジャムってるよ。今夜、ノートをもってきていた2人の様子を観察していると、時々顔を見合わせてニヤッてしたりする。ジャムってるよ。なんだかやたらサイバーっぽい店内(モニターとかスクリーンとかが必要なものとして並んでるからそう見えるだけかも)が逆に一昔前のような感じだし、なおかつノート持ってジャムってる人達はニヤッとしているここは、ある種異様な空間に写った。
mixiとかorkutの音版という感じか。でも実際にこの場にいてジャムってるから、それらとはまた違うのか、と思ったのだけど話を詳しく聞くと、ネットワークで参加もあるらしい。こういうのをイベントとして大々的に開催してるならちょっとよく分からんけど、普通に毎週やって、お茶飲みに来るくらいの気持ちで成り立ってるのがすごい。
で、Emiさんから日本人のおじさん紹介される。その人は、先ほどのライブ会場にも居たサンタクロースのような風貌のおじさん。どこの酔っぱらいだと思ってたら、その人なんと刀根康尚さん。失礼しました。嬉しすぎて一緒に写真撮ってもらった。うひょー。
●昼、旅行でたまった洗濯物を洗う。洗濯物がたまっている、といっても一ヶ月強の旅行中、一度も洗濯しなかった訳じゃない。南米だといっても、いくらなんでもそれは臭い。もちろんまめに洗っていた。しかし手洗いだったこともあり、普通の石けん使って洗っていたこともあり、汚れはそんなに落ちていなかったらしい。気が付いていなかった。今日、昨日と同じズボンをはこうとしたら何やら匂う。いや若干。それで他の服も調べてみると、やっぱり何やら匂う。いや若干。
コインランドリーに行って驚いた。洗って乾燥して$3くらい。ボリビアでは3食食える。
●夜、Wの家へ。明日の晩、Wの友達のライブで映像をやることになった。Wの友達、フィンランド在住のEさんというハープでサウンドアートをしている人が、Phill Niblock主宰のexperimental intermediaという場所でやるライブ。Wの家に行くと、Mちゃんもそのライブようにマネキンに素敵な装飾をしている。
Eさん、おもろい。海外生活6年の影響か、元からそうなのか、もうすっかり外人のようなテンション。テーマは女のバイキングとか、暖色系とか、よく分からないことを言う。昨日旅行帰ってきて、いきなり明日の晩といわれて何の素材もないし、Eさんの音楽きいたこともないし、というわけでどうしましょう。とりあえず南米で撮ってきた映像は使っときましょ。こんな素敵なことさせてもらえるのだったら、日本からMOG素材とかいろいろ持ってきておけばよかったー。
●寝ないで作業。数ヶ月ぶりにコンピューターの前で徹夜。やけに新鮮。
●まだいまいち体調が優れない。
なので、あまり動くのはやめて映画館行く。入場料260円くらい。マイカル系列の映画館みたいにアメリカンに装飾されている館内。
●英題は「the forgotten」だった。スペイン語のタイトル忘れた。日本語は何だろう。
ジュリアン・ムーア主演のサスペンス。のはずだった。何処かで観た予告から想像する限りでは、「子供を事故で失った母親が、何故かその子供の記憶をなくしている父親、医者、周囲の人間に追いつめられていく。」という感じだった気がする。でも始まってみたら、もうびっくりするくらいこれが全然違うから。なんだかシベ超的な驚きすらあった。SFですか。言葉が分からないからですか。体調が余計に悪くなった。
●宿で働いているペルーの男の人はいつも「はじめTシャツ」を着ている。なので、あだ名ははじめちゃん。ラ・パスあたりでも、彼ははじめちゃんで通っていた。よく笑う。タバコは身体に悪いからやめろ、とよくはじめちゃんに言われる。
「俺は15歳でタバコはやめた。酒は飲むがタバコはもう吸わない」
日本のはじめちゃんと逆だ。
●朝、起床。なんだかんだで18時間くらい寝た。体調回復。
街に出ると、前来たときより確実に暑い。雲もどんよりしていて空気もやたら湿っぽい。リマも夏がきている。宿沖縄は日本人宿なので日本人がたくさん来る。というか、日本人しか来ない。でも宿沖縄は一泊$7と高かったり、リマ市自体にあまり見所がないので長期滞在する人もおらず宿泊客も少ない。
●同じ宿のみなさんとお出かけ。今日は新市街ミラフローレス地区へ。目当ては旨いと評判のケーキ。実際うまい。しかも新市街はびっくりするくらい綺麗だった。僕らが泊まってる方の旧市街、ありゃなんだ。旧市街じゃ大の大人2人がパンの詰まったバスケットを運んでいるのに、こちらじゃ老人が車を磨いている。おいおい。日本だけではないと思っていたけど、車磨いている人をここペルーで見かけるとは思いもしなかった。
●天野博物館へ。リマ市名誉市民という天野氏の個人コレクションが収蔵された天野博物館。日本人ガイドがつく。行った人は口を揃えて良かったというし、しかも無料。チャンカイ文明のコレクションが主の天野博物館は実際とてもよかった。日本人の青年が分かりやすく説明してくれるのが嬉しい。なんでA.C.1200頃の土器に鵜飼いの絵が描かれているのか。興味津々。こうして展示品一つ一つに対して、ちゃんと人の口から説明がきけると博物館は全然違う。凄い楽しい。だいたい堅苦しく述べられている説明文と意味不明な年表だけでは楽しめない。
で、その日本人青年もまたちょっと面白い。てっきりこちらで研究している大学院生かと思っていたのだけど、話を聞くと実際はかなり違った。クスコに半年くらい住んで、リマに来てここで働きだしたという元バックパッカーだという。「研究者でも考古学専攻でもないんですよ。」展示品に関する説明を僕らにした後、物販コーナーに立つ彼は何の気後れもなくそう言う。気持ちがいい。
●で、意味なく「恋人達の公園」という恋人しかいない公園に行ってみる。入口のところでピーッって鳴って通れないかと思ったけど、一応公園内には入れた。よかったあ。でも別によくないよ。
●ひたすらバス。ずっと寝てやると思っていたものの、6時間おきくらいに検問がある。
タクナで免税品を購入できる額には限りがあって、年間一人US$3000までらしい。それを越えると没収されるらしい。そのために、商売人達は旅行者の僕らに荷物を預かってくれと聞いてきたり、家族まで総動員して免税品を運ぶ。
で、その検問では苦労してバス下部に詰め込んだ荷物が全部出され中身をあけられる。僕の荷物は明らかに旅行者のそれなので開けられもしなかったが、メルカドバッグ(アジアとか何処にでも売ってる様々な大きさがあるカラフルな袋)に物を詰め込んでいる場合は、中の物をポンポン出されてひどい有様。
●リマまであと少しというところで急にバスが止まる。ほかの乗客が怒っている様子や何言ってるかわからない言葉に耳を傾ける限りでは、どうやらガス欠らしい。そんな理由だなんて。ペルーだわあ。意味が分からない。エンジンが止まり、冷房の効いた車内は一変して真夏のペルー臭い。1時間近く動かないので、ほかの乗客は捨てぜりふを運転手に残してハイウェイを走るほかのバスに乗りかえていく。僕も捨てぜりふを残したかったが、なんて言っていいのか分からないので行儀良く他のローカルバスに乗せてもらう。そこからなんだかんだで2時間くらいでリマ到着。この時点で体調がおかしい。きっと夜行バスの冷房にやられた。
●予定ではここからそのままワラスに行く予定だったのだけど、全然無理。予定変更。なんとか宿沖縄までたどり着く。寝る。
●アリカから国境越えてペルーへ入る。
ペルー側の国境の町タクナのバスターミナルは大きなダンボールを抱えたペルー人でごった返している。この町にはZofraと呼ばれる免税店のモールがあるらしく、そこで品物を安く買ってリマに持って帰って売るという商売人のグループ(といってもほぼ家族)が大勢いる。その人たちに混じってリマ行きのチケット購入。出発まで後1時間のバスがあったので勢いで買ってしまったが、20時間1300kmはしんどい。しかも出発時間になってゲートにいっても一向に出発する気配がない。係員に聞くと、あと2時間、と言われる。誰も教えてくれないから、チリ側と時差が2時間もあるなんて知らないよ。
●バス出発。とりあえず寝られるところまで寝る。
●昼、イキケ散策。朝10時、市場から何からまだ全ての店が閉まっている。12時ごろまでは店は空かないのか、チリ。
リマにいるときもミラフローレスの方には行かなかったので、まだ南米にきて海を見ていない。宿から少し歩いたところに海がある。太平洋です。うわーい。きたねー!残念。
この街にはMちゃんの友達Kが住むというので、できることなら彼に会いたかったのだけど、この街にもどるのは5日以降になるとのこと。以降ってのがかなり微妙だ。急いでいるので申し訳ないけど、もう今日のうちにアリカへ向かうことにする。
●バスで5時間。ペルーとの国境の街、アリカ到着。ここもまた港町。とりあえずメルカドでセビッチェ食べて港でアザラシを見る。
すると後ろから「ほら、鳥だよ。鳥だよ。」と日本語が聞こえてくる。振り返るとチレーノの奥さんとハーフの子供を連れた日本人がいる。「日本の方ですか。」と声をかけると「ああ。日本の方でしたか。中国人かと思いました。」と言われる。そのSさんはアリカにかれこれ15年くらい住んでいるらしい。単身赴任でこちらにきて、内縁の妻と子供ができてしまったという強者。あと数年で退職だからどうしようかと思案中なんでるよ、というわりにはどう見てもエンジョイしているようにしかみえない。
しばらく話をしていて、「それでは。。」と言うので、「ええ。じゃあまた。どこかで。」というと、「そうじゃなくって、どうですか。ウチでビールでも。」と言うわけで、Sさん宅にお邪魔してビール飲むことになる。車で10分くらいの閑静な住宅街、車2台、リモコン操作のガレージ、とかなりいい家。ピスコサワーから、ビール、チリワインまでごちそうになる。その上、年に一回来るマグロ漁船の世話をしているというSさんはそこでもらったマグロから寿司までつくってくれる。カリフォルニア巻もまいてくれた。おいしい。Sさんは面白い。
「若いねえ。僕も若い頃は何も考えずにいろいろ世界を回ったもんだ。うまい?」「うまいです。」
「チリはいいよー。南米では群を抜いて治安がいい。あと、政治もいい。汚職がない。うまい?」「うまいです。」
「こっちの結婚はいいよ。家柄とか何も関係なく好きになった物同士を皆が祝福するから。うまい?」「うまいです。」
「いやー。来るって言っておいてくれれば、鯛の刺身でも用意しておいたのに。」「うまいです。」
いや食べきれないくらいの寿司ごちそうさまでした。
タクシー呼んでもらって宿にもどる。なんだか国境の町まで来てチリがちょっと好きになった。
●昼、サンペドロ出発。
チリの何が凄いって道路がちゃんとアスファルトで舗装されている。日本の高速なみに快適。すごいなあチリ。バスで1時間半、カラマという町到着。この町は世界一の大きさを誇る露天掘り鉱山で有名らしいが、ボリビアはポトシでもう既に鉱山は見た。なので却下。もう今日のうちにイキケに向かうことにする。殆どのバス会社は夜行でしかイキケ行きがなかったが、KennyBusという見るからにみすぼらしいオフィスの会社だけは夕方出発があるというのでそれに乗ることにする。
出発までの時間、ネットカフェ行って作業する。カラマのネットカフェは、昨日のサンペドロとは違ってもう全く快適な速さ。さすがチリ。道路が舗装されているだけあってネットも快適。でも高い。moblogが何故か動作しない。メールでまとめて送信してしまったのが、いけないのだろうか。でもそんなこと調べてる時間もない。困ったな。いや別に困っていない。
●夕方5時。KennyBusで出発。Kennyって誰だろう。そのKennyが運転してるのかどうかは分からないが、どうやら新米運転手らしくスピードが異常に遅い。最初の1時間ほどは時速30kmくらいしか出ていなかった。その新米の横でベテランぽい男がいろいろ口を挟んでいる。30km/hは勘弁して欲しい。いつになったらイキケに着くんだ、と思っていると急にスピードが上がる。どうやらベテランが制限を解除したらしい。スピード狂でそれが高じてバスドライバーにトラバーユしてきましたというような中年新米運転手は待ってましたとばかりにスピードに乗っている。グングンはしる。
移動時間くらいしか音楽を聴くときがない。南米には何が合うのかをいろいろ試す。とりあえず浅川マキは南米向きじゃないことは分かったし、ブレッド&バターはいい線いっているのだけどちょっとメロウすぎる。岡村ちゃんはバッチリだった!って、これじゃあ別に日本も南米も関係ない。
●イキケ到着。崖の上から見た街は都会の雰囲気。
7時間かかると言われていたのに、着いてみたらまだ23時。6時間で来た。なんて早いんだあの新米運転手。
港町のイキケは空気が濃い。荷物持って歩いても全然つかれません。でも夜は怖いのでバスターミナル近くの宿確保。今までで2番目に値段が高いくせに、今までで最低の部屋。やっぱりチリ早く抜けたい。
●朝4:30起床。はやい。さむい。
ツアー最終日の今日は急いでいる。午前9時にチリに抜けるためのバスが国境に来る。それに乗る前に間欠泉、温泉、ラグーナ・ヴェルデを回らなければいけない。かなり急ぎ。その割には間欠泉に感動したり、天然温泉にゆったりつかって朝食食べたりしてるともう9時。でも運転手は全く急いでいない。なんで4時起床?
グツグツしている。
ゆったりつかっている人がいる。
●ラグーナ・ヴェルデ到着。
あまりの美しさに、ここでもまたKJと同じ構図で写真を撮るのを忘れてしまう。
●国境へ。10時を余裕で過ぎていたにもかかわらず、バスには余裕で乗れた。チリ入国。イミグレで荷物検査が結構きびしい。コレラ菌などから守るために、一切の生食物の持ち込みが禁止されているらしい。
国境の町、サン・ペドロ・デ・アタカマで宿を探す。1時間もあったら町一週できてしまいそうな小さな町。Adobe(アドベ)と言われる日干しレンガで町ができている。Adobeの意味を初めて知った。標高が一気に3000m近く下がったのだけど、まだ2000m台。日差しは以前キツイ。その上アタカマ砂漠に属すのでかなり暑い。御飯どころを探すも、チリの物価のあまりの高さに腰がぬけてもうこれ以上探せない。チリ、これはまずいぞ。物価高すぎる。早々に出なければ。
●今週の日曜「世界不思議発見」はウユニらしいので、どなたかどうかビデオ録画お願いいたします。
●ツアー3日目。今日もまたひたすらに道なき道を走り続ける、といった感じで書きたいのだけどそうもいかない。やたら車が故障する。それがランクルの許容値を超えた悪路なのか、ツアー会社の不手際によるものな分からないが今日はひどかった。タイヤが外れたりする。
こんなことはよくあるさ、といった感じで飄々と新しいタイヤに交換する運転手はどうも眠たそうなのです。
●その後も様々な故障、トラブルが重なる。他のツアー会社の客であるイスラエル人が急に僕らの車を運転し始めたりする。その時、こちらの運転手は何やってたかと言うと、そのイスラエル人と入れ替わりに他のツアー会社の車に乗って寝ている。意味が分からない。よっぽど疲れていたのですか。今、事故にあったら誰が責任とるんだろうと思いながらも、そのイスラエル人の方が運転がうまかったりするのでそれもまた困る。
●フラミンゴをみて、「ピンクフラミング!」と興奮するもこの嬉しさは誰にも言わずに心の小箱にしまっておく。
●そして奇怪な岩をみたりしてから、ラグーナ・コロラダという観光名所であり今日の宿泊場所にたどり着いたときには日が暮れていた。これじゃあラグーナ・コロラダの特徴である赤い色の湖が見られない。なおかつこの場所を先月あたりに訪れているKJが送ってきた写真と同じ構図で記念写真を撮ってやろうと思っていたのにそれもかなわず。そして4800mの高地にあるその宿泊場所はたいそう風が強い。泣きそうに寒い。すぐに寝る。