武山忠司。1979年岐阜生まれ。武蔵野美術大学卒業。仕事は沖縄と東京でウェブとデザインとイラストの株式会社机(沖縄 デザイン)やってます。お仕事のご相談24時間365日受付中。

2004年4月30日 (金) 

リターンキー

[ くらす]

●電車にのっていると、たくさんの小学生が乗ってくる。
もう予備校生の風貌の男の子もいれば、ニューバランスに文庫本なんていうちょっとおませな女の子もいる。また多摩川を越える。今日もいい天気。昨日とおなじくらい。

●直し。っていうか、直し以前の問題が勃発。ほんとうに確認ってば大事よ。
とりあえず終わって中華やさんでご飯。
ひさしぶりにお酒飲んだらビール1杯でユートピア。六本木ラーメン隊のおじさんはミカエル。

●電車の中でさも忙しそうにキーボードをたたく人がいる。その人が本当にいそがしいかどうかは分からないが、スーツをパリッと着こなしている彼はきっと移動中にも数億を動かしてしまうようなやり手だろう。東京メトロ車内で数億円。考えるだけでもう満腹。
そんなパリッとしたビジネスマンの場合はさておいて、問題はパリッとしていない人の場合だと思う。大抵の場合パリッとしていないのは、パーソナルコンピューターなんていう存在自体を疎ましく思っている中間管理職の人の場合が多いと思う。彼らはもうしょうがなく車内でパソコンをひらいている。キーボードをたどたどしく叩く。こちらが気になるのはそのキーを叩く音のリズムだ。

「カチャカチャカチャカッチャーン!」

「カチャカチャカチャカッチャーン!」

「カッチャーン!カッチャーン!カッチャーン!」

このカッチャーンは言うまでもなくリターンキーを強く押す、場合によっては叩くくらいの勢いのその音だ。
「この野郎!」
「それみたことかっ!てめーっ!」
くらいの勢いでもう全ての不満をそこの発散しているかのようにリターンキーを叩く。
とにかく叩く。
割れちゃうんじゃないか、とこちらが不安になるくらい彼らのリターンキーに対する思いは理解しがたい何かがある。

パリッとしているほうの若手キャリアの彼のキーボードさばきに視線を戻す。
注意深く聞き耳をたてないとわからないような音だった。

「カチャカチャカチャヵチャカチャカチャカチャヵチャ」

いつリターンキーを押しているかなんて、まったくわからない。「なんならリターンキーなんて押さなくてもいいんだけどさ、おれ。でもリターンキー押さないと、ほら、確定しないから。」という何かあきらめ感すらただようその指さばき。あまりにも力弱い。それはそれで考えなくちゃいけない問題が山積みだぞ、この茶髪スーツ。

結果としてどのようにキーを叩けばいいのかは分からないまま。なんせここはユートピアなのだからしょうがない。とりあえずリターンキーを強く押しすぎるのもまずいし、かといって、あきらめでリターンキーみたいなスタンスも頂けない。そうなると、もうマウスしか使わないのが車内での正しいパソコンとの接し方ということになる。なんでそうなる?可能か。いかにマウスを使わないでパソコンを操作するか、というようなことがある種のステイタス(能率を考えると当然なのだけど)のように感じるときがある。でもユートピアではそんな作業効率の問題はたいしたことではない。もうそんなことよりもまず先にあるのはリターンキーの問題だろう。


そんな問題でもない気がする。


投稿者 ta : 2004年4月30日 23:26

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